新石見小水力発電所が稼働

更新日:2021年04月01日

新石見小水力発電所が稼働  

鳥取県の10分の1の面積を有し、その約9割が山林という本町には、豊富な水と水力発電に適した地形が数多くあります。

この豊かな水資源を有効に使おうと考えられたのが小水力発電で、昭和27年に「発電水力が未開発のまま存する農山漁村に電気を導入し、農林漁業の生産力の増大と農山漁家の生活文化の向上を図る」ことを目的に制定された「農山漁村電気導入促進法」により、昭和20年代後半から昭和30年代末にかけて、中国地方5県では、農協を事業主体とする小水力発電所が相次いで建設されました。

昭和37年9月、町内6農協が合併して誕生した日南町農協協同組合は、当時、石見発電所(90kW)、山上発電所(150kW、後に廃止)、日野上発電所(80kW)の3つの小水力発電所を所有、その後、石見、日野上発電所は、日南町、日南農協(現JA鳥取西部)、日南町森林組合の出資により昭和59年8月に誕生した日南町小水力発電公社に移管されました。同社は、平成2年1月には、新日野上小水力発電所(660kW)を建設、町のエネルギー政策の根幹を担うこととなりました。

こうした中、平成23年3月11日、わたしたちが決して忘れてはならない東日本大震災が発生、その地震に伴う福島第一原発の事故を機に、平成24年8月、国は再生可能エネルギーの利用拡大を目的とする「再生可能エネルギー特別措置法」を施行し、町も低炭素社会の構築と地域経済の活性化を目的とする独自の「日南町再生可能エネルギー利用促進条例」を制定しました。そして、平成24年12月、町はこの条例の理念に基づき、石見東太陽光発電所(340kW)を建設しました。

町が次に計画したのが、老朽化が進む石見小水力発電所の基幹改良工事でした。このたびの新石見小水力発電所の完成により、町内の再生エネルギーの発電量は」、町内一般家庭のほぼ50%に達することになりました。石見村農業協同組合の英知によって昭和28年11月に産声をあげた石見小水力発電所が、60余年の時を超え、町営の水力発電所として再生しました。日南町は、後世に再生可能エネルギーの灯を繋いでいきます。

水系 一級河川日野川水系 九塚川
取水地点 日南町三吉250-2
水車形式 横軸フランシス水車
水車出力 85kW
発電機形式 横軸三相誘導発電機
発電機出力 90kW
使用水量 0.443立方メートル/S
有効落差 23.5m
系統電圧 6.6kV
運転制御 随時巡回方式
発電開始日 平成27年9月16日

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