町長日誌
日南町長・中村英明が、日々感じていることやまちづくりに対する思いなどを書きとめ「広報にちなん」に掲載しています。
広報にちなん令和7年5月号より
日南町も桜が咲き始め、春らしい暖かな日が多くなってきました。学校では入学式、会社では入社式など人生の節目をむかえ、慌ただしくも希望や夢に向かって歩み始めた方も多いのではないでしょうか?
さて令和7年度がスタートしました。新規事業等もありますので、町民の皆様にスピーディーに情報提供していきます。ホームページや町報、町政のしおりでの紹介はもちろんですが、今年度もちゃんねる日南において、4月中旬頃から各課ごとに今年度の新規事業や新規職員紹介など、元気に明るい話題を中心に紹介していきますので、ぜひご覧いただきたいと思います。引き続き様々な方法で情報の発信に努め、町民の皆さんに知っていただくことが重要と考えています。皆様には忌憚のないご意見をお寄せいただければ幸いです。
令和7年度も町民の皆様に安心してこのまちで暮らしていただき、「住んでよかった」と実感いただけるまちづくりを推進してまいります。
広報にちなん令和7年4月号より

3月8日、米子市淀江文化ホールを会場に日南町オーガニックビレッジ推進協議会主催による講演会を行いました。東京大学特任教授の鈴木宣弘氏を講師にお招きし「世界で最初に飢えるのは日本!?農家さんとのつながりが我が家の食料安全保障」と題して、日本の農業政策や食料安全保障の課題についてご講演いただきました。コメ不足や価格高騰の「令和の米騒動」と叫ばれている昨今、地元の生産者をはじめ約170人にご参加いただきました。
講演では、私たちがあまり知り得ない農政に関わる情報を詳しくお話しいただき、参加者は興味深く聞き入っておられました。特に、コメの高騰に関しては「30年前の価格と同じになっただけ」であり、消費者の理解を求めるとともに、地産地消による循環型農業が大切であると述べられました。本町のような生産地域が持続可能な農業を守り、生産者と消費者を繋ぐことが、国内の食料安全保障の強化につながります。改めて「自分たちの食べ物は自分たちで守る」という意識を持ち行動したいと思います。
広報にちなん令和7年3月号より
先日、日南町の大宮地区で水稲栽培されているノータス研究所が「2024年産米の食味分析鑑定コンクール国際大会」において特別優秀賞を受賞した報告に来られました。同時に、「お米日本一コンテスト」「全日本お米グランプリ」の大会にも出品され、いずれの品評会においても優秀な成績を収められました。
日南町では、うるち米はコシヒカリが主流ですが、ノータス研究所では「ゆうだい21」という品種を栽培されています。最近、全国で表彰を受ける品種の多くがこの品種だそうです。
「ゆうだい21」は、暑さに強く、甘い香りや粘り、冷めてもおいしいという特徴があり、お弁当に使用しても相性がいいそうです。私も試食をさせていただきましたが「ゆうだい21」の特徴どおり、香り、旨味のバランス感がよく、とてももちもちとした食感がある美味しいお米でした。
お話をうかがう中で、おいしいお米を栽培するにあたり「ノータス研究所」という社名のとおり、熱意をもって日々、研究、チャレンジをされていることを強く感じました。町としましても生産者の皆様と一緒になって「日南米」の更なる知名度アップ、販路拡大へつなげてまいります。
広報にちなん令和7年2月号より

雪のない穏やかに晴れた2025年のスタートとなりました。町民の皆様におかれましては、ご家族とゆっくりと過ごされたのではないかと推察いたします。昨年は元日の能登半島地震、大雨被害などの災害も多くあった年でありましたが、今年1年が大きな災害のない穏やかな年になることを切に願っています。
昨年は、新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、社会・経済活動が日常を取り戻した一方、燃料高騰、物価高騰はいまだに続いており、町民の皆様の生活、町内の経済活動に大きな影響を与えています。町としても、町内の情勢を見極めながら必要なタイミングで必要な支援策を講じてまいります。
また、海外に目を向けるとアメリカのトランプ大統領の政権就任や、ロシアのウクライナへの軍事侵攻、ガザ地区での紛争など終結が見えない状況が続いています。歴史的な背景、宗教、政治不安など、その理由は様々ではありますが、地球上全ての人間が平和で安心して暮らせる社会の実現にむけ、我々も常に考えていかなければなりません。
石破首相は、地方創生2.0について、「単なる地方の活性化策ではなく、日本全体の活力を取り戻す経済政策であり、国民の多様な幸せ、楽しい地方を実現する社会政策である」と言われています。地方創生2.0の始まりの年に当たり、「若者定住・女性活躍・子育て支援」を施策の柱ととらえ「地方から日本を変えていく」という強い決意をもってまちづくりに挑戦してまいります。
皆様の2025年が、穏やかで楽しく、実り多い年となりますようお祈り申し上げます。
広報にちなん令和6年12月号より

先日、日野郡3町連携会議による特産品等を売り込むトップセールスのため、初めて台湾へ行ってきました。
面積は九州より若干小さいものの、人口は約2300万人。九州は約1300万人ですので人口密度は高く、土地代が高いということでした。空港の規模や高速道路、建物、アパート・マンションなどの整備状況を見ても日本以上のレベルではないかと感じました。レストランやホテルのエレベーターなどでは広告や音声など日本語に触れる機会も多く、また約6割が日本車で、親日国であるということを垣間見ることができました。
売り込みの目的は、台中にある富裕層向けのスーパーマーケットを運営する店舗での日野郡産品のPRと販促でした。店舗では、残留農薬ゼロや有機野菜など品質にこだわり、日本の商品も多く、主食のお米も販売されていました。また、急速冷凍食品が多いなど特徴も知ることができました。
今回、日野高校生を招待して店内での販売に協力してもらいました。マーケティングを通じて今後の可能性を感じ、3町としての更なる展開につなげていきます。
広報にちなん令和6年11月号より

猛暑が長引き秋本来の期間が短くなってきたような昨今ではありますが、「食欲の秋」「スポーツの秋」「読書の秋」など、秋本番となりました。
そうした中、先日総合文化センター野外広場で芝生化1周年を記念して「2024秋フェスタ」が開催されました。芝生化も秋フェスタも民間主導の動きからできたものでした。芝生も管理がしっかり行き届いており、皆さんも喜んでいただけたかと思います。秋フェスタも新たなイベントとして誕生し、様々な取り組みや企画があり、家族連れや高齢者まで幅広い皆さんに参加していただきました。関係者の皆様に感謝申し上げます。
企画の在り方として、町民の皆さんや町外の皆さんの協力で一つのイベントが成り立っており、町内でのイベントのありかたに変化が生まれているように感じています。そこにかかわる人たちの気持ちと行動の力、意欲の結集、つながりの広さなど、これからのまちづくりに力強さを感じるとともに、何よりも参加してくれている皆さんの笑顔に触れたことがいちばんでした。
広報にちなん令和6年10月号より

仕事柄、多くの方と名刺交換や懇談を行う機会があります。町内の方をはじめ民間企業の方など幅広い方たちとの出会いがあります。最近は外国の方ともお会いする機会が増えてきました。その時の小さな出会いを大切にしていきたいと日々心掛けています。そしてそのご縁を、今後にどうつなげていくのか考えるようにしています。仕事上当たり前のことかもしれませんが、一人の人間としても成長し続けたいと思っています。
懇談をするということは相手方がおられます。現代社会においてコミュニケーション能力が求められており、今後ますます重要になると考えています。より良いコミュニケーションを図るためには、相手方の情報と日南町の今後の展開のイメージを作っておくなど、様々な視点を持ち合わせておくことが必要です。
これからもたくさんの人と出会います。最初は小さな出会いでも、今後のご縁につなげ、町の発展につなげられるよう日々努力してまいります。
広報にちなん令和6年9月号より

26人の皆さんに参加していただき、「二十歳を祝う会」の式典を挙行しました。準備から実行委員会の皆さんで担われ、進行も実行委員で担当されたのは初めての取り組みとなった式典でした。
私からは、これから後何十年も人生を歩む皆さんに、不透明な社会といわれる中で学びの場での校訓「生き抜く力」を発揮する時代であると述べました。
来賓からは、室生犀星の句「ふるさとは遠きにありて思ふもの」についての解釈の説明や戦争と平和について、また、他の来賓からはご自身の体験を交えて「世界に飛び出して見聞を広めよう」恩師の先生方2人は当時の授業を振り返って、これからの社会人としての心構えなど力強いコメントをいただきました。ご両親からは、一人ひとりが希望に満ちた輝かしい人生を歩まれることを望むことが感じられ、そして皆さんが育った故郷日南町はこれからも皆さんを応援しています。
大人になったこの機に、日南町公式LINEなどを通じて情報交換を行うとともに、つながりを強固にしていきたいと思います。
広報にちなん令和6年8月号より

日南町の初夏の風物詩である「福万来ホタル乃国2024」イベントが7月9日に終了しました。
地元の皆様の熱心な保護活動によってホタル観賞スポットとして有名になったこのイベントは天候にも恵まれ、イベント期間中に約2,000人を超える多くの皆さんに来ていただきました。間近に見ることができる約2万匹のゲンジボタルとヒメボタルに感激・感動していただいたことと思います。
そして、晴れた日には星空鑑賞もでき、“日南町”の名前を知っていただけたと思います。日南町内様々な地域でホタルを見ることができますし、天然記念物であるオオサンショウウオも多く生息しています。ホタルもオオサンショウウオも豊かな森林と清涼な水により育まれています。これからも適正な森林管理によりこの生息環境を守り続けてまいります。ホタルがみられるのは約2週間と短い期間ではありますが来年もぜひお越しください。
広報にちなん令和6年7月号より

●「広報にちなん」では、
町長直筆の「今月の漢字」
コーナーの掲載を始めました。
6月に入り、日南町役場周辺の日野川でも多くの鮎釣りの皆さんで賑わっています。
6月9日には毎年恒例となりました「第4回瀬田カップ」が開催され、北九州や岐阜といった遠方からお越しの方も含め、110名の参加があり賑やかな大会となりました。前身は「大西満杯」として平成元年から始まり、長年愛されてきました。35年間継続できたのは事務局の皆様、日野川漁協の皆様、鮎釣りファンの皆様のご尽力があってこそだと思います。
今年は天然鮎の遡上が好調とのことでありますので、皆様ぜひ日野川での鮎釣りをお楽しみください。
これからも日野川で多くの釣り人の皆様に楽しんでいただくためにも、日南町として適切な森林管理をおこない、豊かな「森」、「川」を守る循環型林業を推進してまいります。
広報にちなん令和6年6月号より
先日の4月22日に鳥取県初の「とっとりにちなんオーガニックビレッジ宣言」を行いました。
日南町は、過疎、少子・高齢化に立ち向かう創造的過疎の自治体として、中山間地域のモデルを創るまちづくりに挑戦しています。食料安全保障、農産物を作り続けられる環境整備、農業所得の向上など、将来にわたって持続可能となる農業・農村の在り方を模索しています。これまでの農業に加え、農業振興の選択肢の一つに新たに有機も位置づけ、生産から加工・流通・消費まで農業者が有機農業に取り組みやすい環境整備を進め、地産地消にこだわった食育・食農活動のほか、地域内での資源循環を促進するなど、中山間地域の資源である自然と調和した環境配慮型の有機農業を推進していきます。
広報にちなん令和6年5月号より
4月10日、晴天に恵まれ満開の桜の中、小学校・中学校の入学式が執り行われ、小学校13人、中学校22人の新入生を迎えました。新たな門出に気持ちを膨らませスタートしたお子様の健やかな成長を願います。
町は新年度から新たな政策として、小学校・中学校・高校の入学、就職時に「進学等祝金」を交付することとし、入学式に保護者のみなさんに目録をお渡ししました。保護者のみなさんにはサプライズでしたが喜んでいただきました。町としては「誰もが安心して子育てできる環境」を整え、子育て支援のサポートをしたいと思います。
他にも、にちなん中国山地林業アカデミー12人、農業研修生4人、地域おこし協力隊として5人の若者達が、町内で生活し研修や活動をします。わいわいがやがやの日南町になっていくことを期待しています。町民みんなで応援していきましょう。
広報にちなん令和6年4月号より
1月、役場裏の日野川をふと眺めていたら、悠々と泳いでいる2羽のカモと思われる鳥を偶然見かけました。しばらく眺めていると、一方の鳥をもう一方が追うようにしており、その行動を繰り返していました。2羽は色が異なっていたため、つがいかなと思いました。
広報2月号の「にちなん鳥紹介」の記事を思い出し、早速確認すると、まさしくこの記事に載っていた「マガモ」のオスとメスカモと確信しました。
そして今日は、役場裏の桜の周辺で、鳥の鳴き声を偶然聞きました。「スキ・スキ」と聞こえてきました。人によって違って聞こえるかもしれませんが、私にはそう聞こえました。鳥の姿は見られなかったので、今度田なかさんに聞いてみようと思います。
日南町にはこういった心温まる姿がまだまだたくさんあります。
広報にちなん令和6年3月号より
日南町は、モンゴルのゾーンモド市と友好交流を行っていることもあり、昨年度はゾーンモド市の子どもたちにランドセルをプレゼントする企画を行いました。募集期間中、新聞で取り上げていただいた途端に多くのランドセルが届き始め、目標であった80個のランドセルを贈ることができました。
今年度は、同じくゾーンモド市の子どもたちに、絵本や漫画を贈ることにしました。募集期間を2月末までとしていますが、新聞やテレビに取り上げていただき、町内外から目標を上回る数の本をお寄せいただきました。
新聞やテレビの報道は、SNSで広がることもあり、改めてその力の大きさに感心するとともに、ご協力に感謝しています。
モンゴルには、日本の絵本は少なく、漫画もほとんど出回っていないと聞いており、この度の企画は、モンゴルで日本語を学ぶ子どもたちの要望を受けて行ったものです。この本を、モンゴルの子どもたちの日本語の学習に役に立ててもらえればと思っています
広報にちなん令和6年2月号より
町民の皆様におかれましてはご家族団らんのお正月を迎えられたことと拝察し、お喜び申し上げます。今年もよろしくお願いいたします。
元日の夕方、石川県能登半島で、震度7の大地震が発生しました。甚大な被害の情報が次々と画面に流れ、津波や建物崩壊、火災、土砂崩れ、道路の寸断、孤立集落、インフラの遮断、液状化、寒さなど様々な被害が発生し、かつその被害は広範囲にわたっています。亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申し上げ、被災されました皆様に心からお見舞い申し上げます。
被災地に対する日南町の支援は、鳥取県の計画と指示を中心に実施します。まずは人的支援として、職員1名を被災地へ派遣し、救援物資の仕分けや避難所運営などの業務にあたります。また今後は保健師も派遣する予定です。
町では、役場や病院などに募金箱を設置し、義援金の受付を行っています。個人・地域・団体を問いませんので、ぜひご協力をお願いいたします。
更新日:2025年04月24日